米国カリフォルニア州ローダイのある家で、玄関先から小さな鳴き声が聞こえました。そこにいたのは、生まれたばかりの子猫4匹と母猫。世話の仕方が分からない住民はローダイ動物サービスへ相談し、親子を保護してもらおうと考えました。

ところが施設の提案は「連れてきてください」ではありませんでした。親子が健康で、その場所が安全なら、約8週間そのまま見守ってもらえないかと頼んだのです。新生児は保護施設で病気にかかりやすく、最初の数か月は母猫やきょうだいと一緒にいる方が安全だからです。

もちろん、いきなり子猫4匹を丸投げしたわけではありません。施設はフード、猫砂、毛布、保温用ディスク、世話の資料を詰めた「子猫キット」を用意。職員が相談に乗り、母猫がおなかを壊したときには診療や追加の物資でも支えました。猫を渡しに来た人が、今度は道具の入った箱を受け取る。子猫キットは、発見者を一時的な預かり手へ変える箱でした。

親子はその後、地元の保護団体を通じてそれぞれ新しい家へ。健康な猫が施設を経由せず譲渡される流れも広がり、4か月間に施設へ入った猫は前年同期の207匹から132匹へ減りました。75匹、約36%の減少です。空いた場所と職員の時間は、病気やけがで本当に施設の助けが必要な猫へ回せます。箱の中に入っていたのは猫用品ですが、いちばん増えたのは地域で猫を助けられる人だったようです。