南極の氷の中から見つかった隕石には、生命が遺伝情報を扱うときに使う5種類の核酸塩基が、ひと通り入っていました。北海道大学低温科学研究所、東北大学、海洋研究開発機構などの研究チームが、南極産の炭素質隕石6種を分析して明らかにしました。
核酸塩基はアデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、チミンの5種です。南極の隕石からは以前にもアデニンとグアニンが見つかっていました。今回は小惑星の試料を調べるために磨かれた技術を使い、残る3種も同時に検出。南極産の炭素質隕石で5種がすべて確認されたのは初めてです。
研究チームは、隕石が落ちた後に地球上の物質が付着した可能性も確かめました。発見場所近くの氷床コアを同じ方法で調べましたが、核酸塩基は検出されませんでした。この結果から、隕石内の分子は地球外に由来すると判断されています。一方で、一部のシトシンは氷床にあった約10万年の間にウラシルへ変化した可能性も示されました。
南極ではこれまで4万個を超える隕石が見つかり、日本も1万7千個以上を保有しています。今回の成果だけで生命が宇宙から来たと決まるわけではありません。ただ、生命が生まれる前の地球へ、材料となる分子が隕石によって広く運ばれた可能性を考える手がかりになります。長く凍っていた小さな石から、必要な5文字がそろって出てきました。