摂南大学、岡山大学、かずさDNA研究所の研究チームは7月23日、大麦の穂や茎がオレンジ色になる「オレンジ穎(えい)」の原因遺伝子を特定したと発表しました。この変異は100年以上前から知られていましたが、色が変わる仕組みは未解決でした。長年の謎は、見た目の担当ではなく植物の硬さをつくる遺伝子につながっていました。

原因はCADという遺伝子です。CADは植物の細胞壁を補強する「リグニン」をつくる過程に関わります。リグニンは植物を丈夫にする一方、家畜が飼料を消化するときや、植物からバイオ燃料を作るときには分解しにくさの原因にもなります。

研究チームは複数のオレンジ穎系統を調べ、すべてのCAD遺伝子に変化があることを確認しました。さらにゲノム編集で通常の大麦のCADを働かなくすると、穂や茎がオレンジ色になり、リグニン量も低下しました。色を再現したことで、容疑者だった遺伝子は実験でも原因と確かめられました。

この成果は、家畜が食べやすい飼料や、バイオ燃料へ加工しやすい大麦の品種改良に役立つ可能性があります。オレンジ色は目的そのものではなく、植物の中で硬さの作り方が変わったことを知らせる目印です。大麦は100年以上、研究者へかなり分かりやすい付箋を付けていたことになります。