NASAとインド宇宙研究機関(ISRO)の地球観測衛星NISARが、東南極の氷に現れた「ハチドリ」を捉えました。もちろん南極へ巨大な鳥が飛んできたわけではありません。氷河の中から突き出た山と、その周囲に広がる割れ目をレーダーで画像化すると、翼を広げたハチドリのように見えました。

画像の中心にあるのは、Nunatak Zaterjavshijsjaという山頂です。氷が海へ向かって流れる途中で山にぶつかると、周囲に力がかかり、クレバスと呼ばれる深い割れ目が生まれます。画像では複雑な割れ目が鋭い緑の線、比較的滑らかな氷が赤紫で表示されています。羽毛に見える部分も、実際にはかなり硬い氷です。

色は南極の実際の色ではなく、向きの異なるマイクロ波が氷でどう反射したかを示します。表面で素直に戻った信号と、氷へ少し入り込んだり割れ目で散らばったりした信号を分けることで、普通の写真では見えにくい表面の状態を読み取れます。偶然の鳥の形にも、氷河が山を回り込む動きが詰まっています。

NISARには直径12メートルの大きなレーダー反射鏡があり、地球のほぼすべての陸地と氷を12日間に2回観測します。1日に地上へ送るデータは約80テラバイト。NASAの換算では512ギガバイトの記憶装置およそ150台分です。一羽のハチドリを見つける衛星ですが、持ち帰る荷物は鳥らしくありません。