大阪公立大学と理化学研究所の研究者が、多数の原子を連続して測ると、測定が強いほど検出回数に通常より大きな揺らぎが現れることを理論的に明らかにしました。量子の世界では、測る行為そのものが状態へ影響します。しっかり数えれば数字が整う、とは限らないところが量子です。
弱い測定では、検出イベントはおおむね独立に起こり、回数のばらつきも一般的なランダム現象の範囲に収まりました。ところが測定を強めると、複数の粒子が関わる集団的な影響が表れ、検出回数が標準を上回って揺らぎました。研究チームはこの変化を「測定誘起クロスオーバー」と呼んでいます。
従来の理論では、膨大な測定結果から条件に合うものだけを選ぶ「ポストセレクション」がよく使われます。しかし粒子が増えるほど、狙った結果を得る確率は小さくなります。今回の方法は、冷却原子から散乱した光など、実験で自然に得られる記録を選別せず解析できるのが特徴です。
論文は7月23日にPhysical Review Lettersへ掲載されました。現時点では理論上の予測ですが、冷却原子の実験記録から異常な揺らぎを見つけられる可能性があります。量子の出席簿は、平均値だけでなく、数字がどれだけ落ち着かないかにも情報を残していました。