南極のデンジャー諸島を写した衛星画像で、岩の島々がピンクがかったオレンジ色に見えました。NASAによると、色の正体は鉱物や地衣類ではなく、アデリーペンギンの大きな群れが残したふん。オキアミを多く食べると赤い色素が反映され、島の表面まで染まります。白黒の鳥ですが、食事記録はかなりピンクです。

研究チームは現地で試料を採り、オキアミと魚の割合によって色の波長がどう変わるかを確かめました。その対応関係を衛星画像へ当てはめると、近づきにくい繁殖地でも、群れが何を食べているかを宇宙から推定できます。献立表の代わりに読むのは、島の色です。

解析したのは、1984年から2013年までのランドサット画像です。南極大陸の周囲100地点以上を比べると、海氷が少ない地域ではオキアミが多く、海氷が多い東南極では魚の割合が高い傾向がありました。同じ繁殖地でも、海氷の状態が変われば食事は年ごとに変わります。

NASAは、研究者がランドサット8号と9号のデータを使う新しいモデルも開発中だと紹介しています。南極には木がなく、岩場の群れを上空から見分けやすいため、広い範囲を一度に追えるのが強みです。遠すぎて毎日の観察が難しい場所ほど、衛星の一枚が長い食事日記になります。