岡山県立博物館で7月31日から、テーマ展「すすめ!ポンポン船 ~木造船の世界~」が始まります。中心となるのは、木造の船体にエンジンを載せた小型帆船の機帆船です。独特のエンジン音から「ポンポン船」の愛称で親しまれました。展示は9月13日までです。

機帆船は大正時代から瀬戸内海沿岸の物流を担いました。木造船が主力だった時代の最後を飾った存在で、戦後に鋼鉄製の船が広がると徐々に姿を消しました。岡山では牛窓や玉島が造船の町として知られ、多くの船大工が機帆船や千石船を造っています。

船の文化は海辺だけではありません。内陸の河川や用水路では高瀬舟や田舟が使われ、地域ごとに違う役割と形が育ちました。会場には機帆船「天神丸」の模型や、船を守る神体としてまつられた船霊が並びます。1785年の船絵馬も主な展示資料の一つです。

現在は船名より先にエンジン音で呼ばれる乗り物を、あまり見かけません。ポンポン船は正式な分類名ではなく、働く音がそのまま愛称になった船でした。模型や道具を見る展示ですが、題名を読むだけで先に音が聞こえてきそうです。