ケニア北部のトゥルカナ湖畔で、約143万年前に古人類8人が一緒に歩いた跡が確認されました。残っていたのは21個の足跡。分析した国際研究チームは、頑丈な歯を持つ古人類パラントロプス・ボイセイが残したものと判断しました。
調査の入口になったのは、人の足ではなくカバの足跡です。1978年、地層を調べる溝の中で研究者が丸く深いカバの跡に気づき、周囲を掘ると古人類の足跡が現れました。現場はいったん砂で埋めて保護され、2016年と2023年の再調査で全体像が見えてきました。発見の案内係は、かなり大きな一歩でした。
足跡の大きさと歩き方から、8人の多くは成人男性とみられます。最大の個体は身長約183センチ、体重約75キロ。従来は同時代のホモ・エレクトスより小柄と考えられていましたが、両者は近い体格だった可能性が高まりました。
骨は体の形を伝えますが、足跡は同じ場所を同じ時に歩いた様子まで残します。当時の湖岸にはカバ、レイヨウ、ワニ、ゾウもいました。21個の足跡は、140万年を越えて届いた8人分の移動記録です。名簿はなくても、出席状況は足元に残っていました。