英バーミンガム大学は7月23日、シュロップシャー州の鉄器時代の砦「ウォール・キャンプ」で、約40年ぶりとなる発掘調査を始めたと発表しました。通常の砦は丘の上に造られますが、ここはかつて沼地と森林に囲まれた低地の島。高い所を選ばない時点で、一般的な砦の説明から外れます。

遺跡は最大五重の同心円状の土塁に囲まれています。さらに、どこにも通じていないように見える土手道や、当時の産業施設では説明できない人工の溝も残っています。道らしきものを見つけても、行き先が先に分かるとは限りません。今回の発掘では、その入口と移動経路の意味を重点的に調べます。

6月の最初の調査には60人を超える学生が参加し、3週間で三つの調査区を開きました。過去の発掘では円形住居、塩の交易と結びつく土器、精巧な青いガラス玉が見つかっています。現在の農家の母屋は、鉄器時代の円形住居跡の上に建っている可能性もあります。暮らしの地層が、そのまま上下に重なりました。

大学と土地の所有者は、この場所を考古学実習の拠点として10年間調べます。目的は出土品を集めることだけではありません。なぜ湿地に大規模な土塁を築いたのか。周囲の水辺をどう使ったのか。40年ぶりに掘り始めた遺跡では、答えより先に「道はどこへ行くのか」という質問が待っていました。